秘密のMelo♪y⑤*NY編*
……!?
なん…。
「なんやと…!?」
バイオリンができない?
あの、まおちゃんが?
「事故の怪我…。あのせいで、再起不能って言われたそうよ」
「…!」
「!!」
再起不能…!
藤峰真裕の…左手が…!?
「……」
「……」
「……」
なんてことだ。
これは…これこそ、漏れればただじゃすまないぞ…。
まおちゃんがバイオリンをできなくなる?
そんなこと…あっていいのか!
あの子ほどバイオリンを愛している人はいない。
あの子ほど、音楽に愛される人はいない。
あの子ほど…!
世界中に愛される人はいないんだぞ…!?
「けろっとして言ったまおが…なんかっ、無理してるみたいで…!」
まおちゃん…。
「どんなに辛いんだろうって思ったら…何も言ってあげられなくて…」
つらい…。
そうだ。
彼女はどれほどつらい思いをしている?
彼女そのものであるほどに愛していた楓を失って。
その上、心の拠り所であるバイオリンまで…。