秘密のMelo♪y⑤*NY編*
…もちろん色んな元凶、真裕父だ。
『マ、マヒロは知らないわ(たぶん)。あたし達さっき知っちゃって…。でもマヒロは大丈夫(たぶん)!』
「さっきからたぶんって聞こえる気がするけど本当に大丈夫?Σ』
『た、たぶん…』
だんだん自信がなくなってきたのか、曖昧になっていくリジュ。
そりゃそうだ。
今この瞬間にもテレビつけちまってるかもしれない。
なんせあいつ…忘れてたしな。
聞いた次の瞬間には別のことで頭いっぱいで、忘れてたしな。
「わ、私まだ確認中なんだ。絶対に真裕に知らせないでね!?」
『そりゃあたし達は言いませんけど(たぶん)、なんかの拍子に耳に入るってことも…』
「今たぶんて!?」
『き、気のせい』
しかし…そうか。
親父さんも知らねェのか…。
せっかくタイミングよく現れてくれたと思ったのによォ…。
「じ、じゃあ私用事がすんだらもう一度調査に行ってくるっ。くれぐれも真裕の耳に入れないように!」
真裕父は強く念を押して、慌ただしく出て行った。
『ねえ…』
『……ん?』
『今度こそ……って、思いたいわよね…』
『…そうね』
ああ…。
信じたいよ。
楓の、真裕への愛ってやつを。
真裕の…楓への愛ってやつをな…。