秘密のMelo♪y⑤*NY編*

―それから数日。

真裕父からの音沙汰は一切ない。


『はあ…。やっぱりダメだったのかしら…』


『……』


『お前…誰もが言いたくないことをよくもあっさりと…』


アッシュが恨めしげにリジュを睨む。

お互いの気持ちが分かるよ俺としては。


『ああ…パパ帰って来てぇ~!』


「? リジュのおとおさんどっか行ったの?」


『ってマヒロー!?』


『いいいいついつ、いつの間に!?』


「はあ……」


馬鹿…。

どんな動揺ぶりだよ。絶対ばれるだろ…。


『たった今』


『あ、そう…』


『風邪はもういいの?』


『うん。治った』


ぺたぺたと歩み寄ってきて、ソファに飛び乗る真裕。

座り方がなんとも可愛らしい。


楓がいれば…。


「はあ…」


とかって抱きしめそう。

お前はホントにもう、みたいな雰囲気出すだろうけど、そりゃぶっちゃけこっちの台詞だみたいな。


「おいで❤」


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