秘密のMelo♪y⑤*NY編*
ふっ…ともはや投げやりに笑みをこぼし、目の前にあった果物らしきものを手に取った。
どこにでもあるな果物。
飾ってると見栄えがいいからとか?
「そのとおりさっ。さすが私の娘っ」
「…………これ食べたいな」
『こう皮を剥いて食べるのよ』
「…わお便利」
『便利て』
『しかもバナナを知らないっていうね!』
これなにこのままかじるの?
……斬新ね。
『そらそうだわね』
お腹すいてるわけでは決してないけどさ。
昨日の夜からなんにも食べてないからさ。
食べとかなきゃダメかなって思ってさ。
あたしいい子じゃない?
「…あ、甘い。意外とイケる」
うん…。
最近果物ばっか食べてるから、知らなかったものも覚えたよ。
基本何でもおいしいんだね…!
果物って何でもおいしいんだね…!
『俺ももらっていーい?』
「いいんじゃない?」
もうすでに手に取っておきながらも一応聞いてきたアッシュに、適当に答えた。
そしてばなな片手に受話器を持つ。
「着く三分前に言ってね」
『三ふ……り、了解しました』