秘密のMelo♪y⑤*NY編*
だってずっと聞きたかったの。
だけどなんか……かっくんのこと口にする勇気がなかった。
でもここまできたらいっそやけくそだ。
なんでも聞いてやるわ。
「それは…すまん。分からない」
「なんで」
「詳しい状況は全然わからないんだよ。だから私も不安……あ、いや…。し、しかし生きているのは確かだ! それは間違いないから安心しなさい」
「無理かな」
「えええっなんで!?Σ」
その説明で?
その声色で? 口調で?
その顔で?
言われて安心できますかってのよ。
「ご、ごめんなさい…」
『パパ弱っΣ』
「うん…。最近このこつおいんだよ…あれかな。やっぱり女の子ってそういうものなのかな」
ぐちぐちと文句を言う父様に、全然知らない人の声がかけられた。
『藤峰様、そろそろ目的地付近ですが…いかがいたしましょう?』
『ギリギリまで近くに頼む。できるだけ娘を歩かせたくはない』
『分かりました』
一瞬で切り替わった父様…さすがだと思う。
まあでなきゃ、普段こんな人が藤峰家を支えられるわけがない。
世界ってそんな甘いものじゃないはずじゃん?
「真裕、とはいえそろそろ降りるからな。帽子ほれ。かぶりなさい」
「うん」