秘密のMelo♪y⑤*NY編*
分かって……いる。
どんなに泣いても泣き足りない。
悔やんでも悔やみきれない。
…分かっている。
『第一…! マヒロが知った時のこと思うとっ…、胸が張り裂けそうよ…!』
……そのことも…だな。
いつかは必ず言わなきゃならん。
だが…それは、真裕に死ねというより辛いことに他ならない。
いつか真裕父が言ったように、真裕にとっては楓が一番大切なものだろう。
楓にとってもそうだった。
その片割れを喪うというのは……あまりに想像しがたい。
『なんで……なんでこんなことになったのかしら…』
誰もが思っていることを、リジュは呟いた。
ホテルに戻ってテレビをつけ、ごまかそうとしたときだった。
『俺…さ。マヒロが無事だったこと、喜べねぇよ…』
『……』
『こんなことになるくらいなら…いっそ、カエデと一緒だったほうが……マヒロにとってはよかったんじゃないか…って…』
『バカ野郎が、そんなこと二度と言うんじゃねェぞおい!』
『でもそれだけ、マヒロはカエデを愛してる!』
『…!』
それだけ……愛して…か…。
なぜだか言い返せずに。
ストンとベッドに腰を下ろした。
タイミングの悪いことに、気を紛らわそうとしてつけたテレビではあの事故のことを取り上げていた。
ここのところ毎日そうなのだから、仕方がないといえば仕方がない。
『…え? 本当ですか!?』