秘密のMelo♪y⑤*NY編*
――真裕サイド――
―ガラッ…
「真裕…」
「……」
みんなが出て行ってから二時間ほど。
うとうとしかけていたあたしの病室に、父様が戻ってきた。
「…真裕、色々と話がある。よいことと…悪いこと」
「…かっくんはどこ」
「…そのこともだ」
ゆっくりと歩み寄ってきて、ベッドのそばの椅子に腰を下ろした。
そしてとても言いにくそうに、口を開く。
「……落ち着いて聞けよ…」
「……」
…分かってた。
きっと、そうなんだろうって。
さっきも…。
…だけど信じたくなくて。
父様の口から出る言葉に期待して。
…それなのに。
「…楓くんは…な」
…それなのに…。
「……お前の言う通りだ。…もういない」
「……!」
…期待はことごとく裏切られ。
絶望へと突き落された。