秘密のMelo♪y⑤*NY編*
――洋平サイド――
「まじーな」
「なにがっすか」
「おおシュンくん。いつの間に」
翌朝ロビーで深刻に呟いた私。
降ってきた声は、シュンくんのものだった。
「深刻そうには見えなかったけど深刻なんすか?」
「失敬な。超真剣だよ僕は」
「誰も真剣じゃないとは言ってませんが」
「あれ?」
…えほん。
そ、それはまあ置いておくとして。
実際真剣なんだよ。
「真裕がさ、身体は確かによくなってはきてるんだけど…どうもね」
日に日に沈み込んでいく娘を見ているのは正直つらい。
楓くんの夢を見ては思い出し、思い出しては拒否反応が起きる。
それでは身体もなかなか治りはしない。
「ふう…。どうしたものか…」
「……楓以外にはどうしようもありませんよ…」
「……そうだね」
どんなときでも、あれにとっての一番は彼だった。
その彼がいない。
まして真裕が苦しんでいるのはその彼のことでだ。
我々にはどうしようもあるまい…。
しかしそれではだめだ。