秘密のMelo♪y⑤*NY編*
なにか方法はないかと頭を捻り続ける毎日だが、なにもいい案は浮かばぬまま憔悴していく真裕を見るばかり。
それに……あのことも伝えなければならないかと思うと。
…本当に、なぜあの子がこんなにもすべてを失うのだろうか。
「あ、まおパパちょうどいいところに! お願いがあるんですけど!」
「ん?」
右手を振りながら駆け寄ってくるのは花梨ちゃんだ。
心なしか嬉しそうな顔をしている。
最近では珍しい。
「どうかしたのかね」
「本気か花梨、無理やて」
「大丈夫大丈夫! いざとなったら、藤峰の力でちょちょいっと…」
「最低か!Σ」
なんだなんだ?
私のすばらしい人格からなる権力(ちから)がどうかしたかね?
私の美しい容姿からなる権力(ちから)がどうかしたかね?
「琥珀と梨音、連れてこれないんですか?」
「誰だねそれは」
「わんちゃんですやん! まおたんの愛犬」
「おお、コロちゃんのことか!」
「それこそ誰や!?Σ」
ふむ…コロちゃんか。
それも手かもしれんな…。
「よし! 手配しよう」
「きゃあ❤やった!」
「えええー…。マジかいな…」