秘密のMelo♪y⑤*NY編*
なんの!
私は愛する娘のためならば、都市一つ…いや、国一つつぶしてみせる!
「なんのために」
…!
『なんのために。…相変わらずわけ分かんねぇ人っすね』
「……」
「…まおパパ?」
「あ…うん」
…ズバッと突っ込んできたシュンくんと、楓くんが被って見えた。
彼もそうやって…冷静に一言で突っ込んできたっけ。
『君だって、その力さえあればやるだろう! 真裕のために❤』
『……やらねーそんな意味分かんねぇこと』
『なにをっ。では真裕を愛していないと!?』
『なんでそんな話に…』
『え!? かっくんまおが嫌いなの!?』
『だから…』
『わーんっ! 父様ふられたあ~!』
『…ハア……』
「……」
……なぜ、こんなことになってしまったのだろう。
あの日々はもう、帰ってこないのか。
あの笑顔を見ることは……もう、ないのだろうか。
人は、無力だ。
いざという時に限ってなにもできない。
誰が、あの子を助けられるのだろうか―…。