秘密のMelo♪y⑤*NY編*

――蓮二サイド――


「せやからなー、俺は別に…」


―ガラッ…


「お? 花梨どないした…」


「花梨?」


「お前…ほんまにどないした?」


まおちゃんの病室の前で話し込んでいた僕らの前に、病室から出てきた花梨。

パッと振り返った修平が言葉を止めたのは、花梨の表情だった。


『カリン?』


ちゃっかりいるリジュ達も首を傾げる。

珍しく神妙な顔で俯く花梨は返事もしない。


「パパは?」


代わりに、眉を下げたままそう聞いてきた。


「そこで死んで…いや、寝てるけど」


後ろのベンチを親指で指しながら言う。


「今死んでゆうたなお前」


「そう…。ちょっと叩き起こしてくれない?」


「叩き起こすてお前な」


「面倒だ。…蹴り飛ばしといてくれるシュン」


「蹴り飛ばすてお前な!?」


「おうよ。任せとけ」


「任されるなやシュン!?」


いちいち首を突っ込んでくる修平をちらりと見やり、本当にドカッとベンチの足を蹴り飛ばした。

やっぱり彼って……楓に似てるよね…。


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