秘密のMelo♪y⑤*NY編*
そんな思いきったことをしたシュンのおかげで、「なんだなんだ何事だ!?」と飛び起きてくれたパパ。
「地震雷火事親父!? さあ、どれ!」
「俺に聞かれても困りますがねェ」
「む。そうか。…しかも親父は私か。…ところで君は誰だ。…シュンくんか。なんだ」
なぜか残念そうな顔で最後になんだと呟いたパパは、ようやく目を覚ましてきたよう。
「で? どうかしたのかね」
「それはあいつに聞いてください」
くいっと花梨を顎で指しながら言ったシュンに従って、花梨にもう一度同じことを聞くパパ。
何事か知らない僕と修平も注目した。
「あの……」
「なんだい?」
とても言いづらそうにする花梨に優しく問うパパの顔は、やっぱり父親のものだった。
同じ年頃の娘を持つのだから、当然といえば当然。
「…あのとき…」
「ん?」
「……あたし、爆発の直前にまおと電話してたんですけど」
電話…?
なぜ今更そんな話を…。
「そのとき、誰か楓じゃない…男の声がしたんです」
「男の声?」
「他に人のいる感じではなくて。ただ一人…」
「花梨、せやからそれは…」
気のせいだ、とでも続けようとしたのか、修平は途中で言葉を止める。
「でも…」