鏡の向こう


…噂をすればなんとやら。

「紗香ちゃん♪
一緒にお昼食べよ♪」



やつがやって来た。

最 悪 。



『私もう食べ終わったから。』

「ぁ、そぉ?
んじゃ、中庭行こーょ♪」


やつは私の腕をぐいぐい引っ張った。


『ゃ、ちょっ、離して。』

「ぃ~じゃん、ぃ~じゃん♪」


よくなぃっ!!


私は助けを求めるように、伊織を見た。


それが伊織に通じたのか、
やれやれという顔で止めに入った。


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