桃染蝶
「なにを
 
 おい、おっさん」

正二の腕を強く掴む、一夜。

「アニキ・・・?」

一夜の、低い声が聞こえる。

「度胸・・・?

 そんなもん
 どうでもいいわ
 
 俺は無駄なことはしない
 
 面倒なのは勘弁してよ
 
 無駄な血は流さない

 アンタが、会澤に手を貸す
 とは思えない

 もし、会澤に加担すると
 言うのなら、今ここで
 容赦なく遣らせて貰うまで」

一夜は、銃口の先を入江へと
向けた。

「タカツキー、おまえ

 最初から、そのつもり
 だったんだろうが」

慌しく動く、入江組の連中の
足元に向けて発砲する一夜。

「動くなよ
 
 無駄な血が流れるだろう?
 ・・・」

薄ら笑う、一夜。
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