桃染蝶
「いえっ
 そんな大丈夫です
 
 親分さんを足に使うだなんて
 ショウに叱られます
 
 私は、電車で・・・」

必死に一夜の申し出を断ろうと
する彼女の態度に、一夜は右側
の口角だけを上げてみせた。

「びびることねえよ
 
 何にもしない」

「はい

 でも・・・」

沙織の手が、お腹に触れる。

「ああ、そうだな
 
 俺なんかと一緒に
 いない方がいいかもな

 じゃあ、行くわ」

「あの、親分さん
 
 やっぱり
 送って頂けますか?
 
 電車に揺られる事
 辛くて・・・
 
 お願いします」
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