桃染蝶
「ああ、行こう

 付いて来いよ」

車内、始めは何も話さなかった
沙織だが、時が経つうちに正二
の幼かった頃の事や正二が好き
なものなど、いろんな事を一夜
に問い出して話は止まらない。

正二の事を語る時、沙織は何度
も何度も笑みを浮かべる。

正二への、愛情を感じる。

『いっちゃん』

その笑顔は、一夜の話をする時
の芽衣子の笑顔に似てる。

じっと、沙織を見つめる瞳。

信号は、青・・・

「親分さん
 信号、青ですよ
 
 どうかしましたか?」
< 188 / 386 >

この作品をシェア

pagetop