桃染蝶
高らかに笑う、その笑い声が
神経を逆なでる。

祖父の笑い声と重なる。

「く・・・」

兄貴の唇が、悔しさからか
小刻みに震えている。

兄貴の中で、何かがプッツン
と音を立てて切れたのを
高月組の連中は皆、察しした

「(く)そやろう共が

 ペラペラペラペラ
 しゃべってんじゃねえぞ

 アイザワ、この際

 雑魚には用はねえわ

 クワジマ

 アンタを叩き潰して
 アンタの持ってるもん
 全部、この手に頂く

 いやっ、死んだ
 間宮に、全部くれてやる」

兄貴の形相は、鬼のようで
仲間も皆、足が震える。

こんなにも、本気の兄貴を
見たのは、後にも先にも
この時一度きり・・・
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