桃染蝶
「イチヤ・・・」

私は、そのまま、貴方の腹部に
両腕を回して抱きついた。

「カヤ、やめろ」

無理やり、貴方に解かれた手を
今度は貴方の肩に回して背伸び
をし、耳元で囁いた。

「抱いて・・・」

こんな姿を晒して
こんな言葉を口にする、私。

これが、私なの・・・?

信じられない。

でも、兄だとか妹だとか
そんなこと関係なく

女として貴方に抱かれたい。

そんなことを願う私は
変ですか?

でも・・・

「貴方がす(きなの)」

「言うな

 それ以上
  
 何も聞きたくない」

愛の言葉を貴方は絶対に
聞いてはくれない。
< 71 / 386 >

この作品をシェア

pagetop