藤井先輩と私。
「僕がすべてを壊した…あの日まで僕はずっと、自分の才能に酔いしれていたんだよ。情けない話だよな。あいつが…千鶴が死んでから、そんな自分の愚かさに気付くなんて…」
パパさん。
パパさんは、藤井先輩を見るでも私を見るでもなく、ただ遠くを見ていた。
「パパさんは…どうして、藤井先輩を大阪に連れ戻したいんですか?どうして藤井先輩の夢を反対するんですか?」
パパさんは、藤井先輩の事が嫌いなんですか?
率直に私は、となりの優しげなパパさんに聞いてみた。
先輩が傷つく答えが返ってきたらどうしよう。とは、思わなかった。
今のパパさんは、藤井先輩を傷つけるようなことは言わないって、妙に自信が持てた。
「僕は、僕自身が憎くて仕方がないんだ」
震える声でゆっくりと語る藤井父。
「僕は僕自身が憎くて仕方がない。仕事に追われ、自分を買いかぶり、家庭を顧みなかった自分が憎くて悔しい」
「いまさら遅い…いまさらそんなこと言われたって俺は、親父がずっと嫌いや」
先輩……。
「それでいい。僕の事を嫌いなままで構わない。だが…これだけは…僕の願いを聞いてくれないか?」
「インテリアデザイナーを目指すなと?」
「あぁ」
ガタンッ!
藤井先輩が突然立ち上がり、その反動で椅子が倒れた。
「っざけんな!」
「せっ先輩!」
怒った先輩やっぱり怖い。
けど、夢をあきらめろって言われて、怒らない人なんているだろうか。
「頼む」
「親父に従う筋合いはない」
「僕と同じ後悔はさせたくないんだ!」
今まで小さな声でしゃべっていたパパさんが、大きな声を出した。
「悠太、お前には才能がある。でもな…お前には僕と同じ悲しみを味わってほしくないんだ」
パパさん。
パパさんは、藤井先輩を見るでも私を見るでもなく、ただ遠くを見ていた。
「パパさんは…どうして、藤井先輩を大阪に連れ戻したいんですか?どうして藤井先輩の夢を反対するんですか?」
パパさんは、藤井先輩の事が嫌いなんですか?
率直に私は、となりの優しげなパパさんに聞いてみた。
先輩が傷つく答えが返ってきたらどうしよう。とは、思わなかった。
今のパパさんは、藤井先輩を傷つけるようなことは言わないって、妙に自信が持てた。
「僕は、僕自身が憎くて仕方がないんだ」
震える声でゆっくりと語る藤井父。
「僕は僕自身が憎くて仕方がない。仕事に追われ、自分を買いかぶり、家庭を顧みなかった自分が憎くて悔しい」
「いまさら遅い…いまさらそんなこと言われたって俺は、親父がずっと嫌いや」
先輩……。
「それでいい。僕の事を嫌いなままで構わない。だが…これだけは…僕の願いを聞いてくれないか?」
「インテリアデザイナーを目指すなと?」
「あぁ」
ガタンッ!
藤井先輩が突然立ち上がり、その反動で椅子が倒れた。
「っざけんな!」
「せっ先輩!」
怒った先輩やっぱり怖い。
けど、夢をあきらめろって言われて、怒らない人なんているだろうか。
「頼む」
「親父に従う筋合いはない」
「僕と同じ後悔はさせたくないんだ!」
今まで小さな声でしゃべっていたパパさんが、大きな声を出した。
「悠太、お前には才能がある。でもな…お前には僕と同じ悲しみを味わってほしくないんだ」