藤井先輩と私。
ちょ…私、紹介するとは一言も言ってない!

私が慌てて訂正しようとすると、教室の出入り口のあたりがざわめき始めた。

ジュディと私も会話をやめて、ドアの所を見る。

小さな人だかりの真ん中に、藤井先輩が立っていた。

どうして先輩が!?

自分のクラスの朝のHRが終わった瞬間に、走ってきたのだろうか少し額に汗をかいていた。

ドアの柱に手をかけて誰かを探している様子。


誰を探してるんだろう…と藤井先輩の視線を追ってみると、バチッと目があった。

「うへっ」

あ、変な声でた。



そして、藤井先輩は人だかりをこえて私の方に近づいてくる。


「先輩、あんたに会いに来たんじゃない?」

いつのまに隣に来たんだろうか。ユカが腕組みして私の隣に立っていた。


「なんで私に?」

「さぁ?知らないわよ」


そうこうしているうちに、目の前に藤井先輩。

「先輩どうしたんですか?」


「えーとな…陽依に用事があって。今日午前中で学校終わってまうやろ?だから朝のこの時間しか会える機会ない思て」


頭をかきながらゆっくりと話す先輩。


「私に用事って」

なんですか?と聞こうとしたその時。




「ヒヨリ…私の好みどうして知ってるデスカ」







さっきまで空気と化していたジュディが、両手を胸の所で組んで、キラキラと輝く瞳で先輩を見つめていた。



 


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