藤井先輩と私。
 
「俺、陽依に話があるんやけ「そーね、そーね。待っていたヨ私」



藤井先輩の言葉をさえぎり、ジュディが満足そうに先輩の腕を掴む。


「へ?」


「OK!私も好きデス。お付き合いしマス!ふつつか者ですがなにとぞよろしゅう…」



「ちょちょちょっと待った!」


「ユータどうしたの?」


少し不満そうにジュディが藤井先輩を見つめる。

私はどうしたらいいのか分からなくて、何も言えずにただ立っているだけ。


「なんで俺が、松田さんとお付き合いすることになってん!」

「ユータ?…あっ!そういうことネ!ヒヨリが見ているから恥ずかしがってる!allright!」


納得したようにジュディが腕を組んでフムフムと首を縦に振った。


「恥ずかしがってるわけないやろ」


「ヒヨリ…?どうゆうことデスカ?」


意味が分からないといった表情で、ジュディは私を見つめてきた。


正直に答えなきゃ。

ちゃんと、ポジティブ思考のジュディに分かるように。


「あのね、朝、先輩が放課後残っててって言ったのは、私になの…。ジュディじゃなくって…言いだせなくてごめんね!」

そう言って頭を下げる。


怒るかな?ジュディ。


「なぁーんだ。そう言う事ね!私にサプライズ計画2人で立てようとしてたのね!」



………………はい?



一瞬めまいがした。

どうして…そうもポジティブでいられるのだろう。


ジュディは慌てて自分の鞄を持つと、嵐のように教室から出て行った。


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