藤井先輩と私。

あれから数日が経った。

お祭の最終日は、ユカと二人で回った。

ユカは私に気を利かせて、藤井先輩のことを聞いて来なくて、その代わりに思いっきり一緒に遊んでくれた。

でもやっぱり、ヨーヨーはすくえなかったし、射的もうまくできなくて、少し悔しかった。



そして今は、真夏の日差しが照りつける8月の暑さの厳しい日。


残暑というか、温暖化の影響か、今年はまだ暑い日が続くらしくて、私はアイスを食べながら縁側で涼む。


「ちょっと陽依!ちゃんと宿題はおわったの?」


朝と昼のちょうど間の時間帯。

お母さんは、掃除機を陽依のおしりにわざと当てて問いかける。


「ギャッ!もうお母さん!」

「ずっとそこから動かないじゃない!もう何日そうしてるつもりなの!」


ガシガシッと掃除機がおしりをつつく。


「やめてってばぁ」

私は縁側からリビングへ戻り、アイスの棒を口に入れて逃げ回った。


「宿題は?」


しかし、鬼のような形相の母から逃げられるわけもなく。

壁に追い詰められる私。



「終わってません。」



「なんでのんびりしてるのかしら!もうあと3日で夏休みが終わるって言うのに」


「まだ28日じゃん…」





まだ28日じゃん。


よゆー


よゆー





……余裕!?


って、もう28日!!!!


なに!うそ!


「なんで28日ぃ!??」



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