藤井先輩と私。
「ねぇ、ヒヨリ!ユータ誰かに取られてもいいデスカ!?」
「そうよ!陽依!あんたそんなに落ち込んでる暇はないわよ!」
え…。
ユカは分かるけど、なぜジュディまでそんなこと。
「なんでジュディがそんなこと言うの?」
「ユカに聞いたデスよ!ヒヨリ、ユータのことホの字だったんでショ?」
ホの字って…いつの時代の言葉ですか。
って、ユカほんとおしゃべりなんだから。
どうしてそんな勝ち誇った顔してるのよ。
「もう!ユカ勝手にぃ!」
「いいじゃない。協力者は多い方がいいわよ」
協力者って…。
ジュディが私の方を向いて申し訳なさそうに頭を下げた。
「ど、どうしたのジュディ!」
ジュディは顔をあげて私の顔をじっと見る。
そして私の両手をジュディの両手が包み込む。
「ホント、ごめんなさい!私ヒヨリの恋路邪魔してたデス!知らなかったとはいえ、大変申し訳ないでござい」
ジュディはほんと、どこで日本語を勉強してきたんだろう。
「いいんだよ!そんなに謝らなくても。私別に気にしてないし!」
ちょっと、ズキズキしたことはあったけど、ジュディのおかげで藤井先輩への気持ち気付くことができたんだもん。
逆に感謝だよ。
「それを聞いてワタシとても安心したヨ!これで思う存分陽依の恋を応援できる!」
ジュディは腕まくりをして、高らかに拳をつきあげた。
「ちょっと…待って」
「なに?ワタシがチアリーダーじゃ不満デスカ?」
不満とかそういうんじゃなくて…なんというか…。
「そっとしておいてほしいっていうか」
この発言に、ジュディとユカは眉毛をつりあげた。
なぬっ!