藤井先輩と私。




ユカとジュディにまくしたてられるままに私はおとといから今日までのことを話し終えた。


「あのバカ」


聞き終わったユカの第一声。


そうだよね。私バカです。


「そうだよね、なんであんな事言っちゃったんだろ。私ってほんとバカだぁ~」


「私がバカって言ってんのは藤井の方!まぁ陽依も十分バカだけど」


え?藤井先輩の方?

というか、さっきからユカ、藤井先輩のこと呼び捨て…。



「ユータは背は高いのにチキンデス!」


ジュディとユカは、まだ階段のところで足止めをくらっている藤井を見つめてあきれた表情をした。


「なんで?なんで?私がひどいこと藤井先輩に言ったのに…先輩がそんなに言われるの?」


どうして、ユカ達がそんなに先輩を責めるのか分からない。

悪いのは全部私なのに。


「そ、それは…ねぇ?」


「そ、そうネ、アレよネ」


「そうそうアレアレ」


突然慌てだす二人。


「アレってなに?」


「アレはアレよ。ねっジュディ」


「そうデス。アレです」


意味わかんない。


「アレじゃ分かんな≪キーンコーン……≫


「あっ、チャイム鳴ったし席つかなきゃ、じゃまた!」

ユカは自分の席に走っていった。

ジュディは隣のせきに座って、わざとらしくいそいそと鞄の中身を整理し始める。


二人ともおかしいよ!

 
 
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