藤井先輩と私。
 

「なんかね…藤井、あいつバカでさ、アホでさ、ヘタレだけど」


「ちょっ…ユカ!!」


そこまで言うのは、いくらユカ様でも私怒っちゃうよ。


「でもそういうところ、陽依とあうんじゃないかなって思ったの。二人一緒にいたらなんか、こっちもあったかい気持ちになれそうだなって」


「ユカ…」


しばらくして、お弁当を食べ終えると、カバンにお弁当箱をなおしながらユカは笑った。


「私、おバカが好きだからさ、二人付き合ったらいいのにって願ってたのよ」


ユカ…ユカ様。


で、でも「付き合う」ってそんな夢みたいなこと。
ありえないのに、ユカこんなに期待してて、なんだか申し訳ない。



「ごめんね。ユカ」



「どうして謝るのよ」



「…だって、私…ユカの期待にこたえられそうにないもん」


だって…だって私、先輩に避けられてるし。

もしかしたら嫌われてるかもしれないし。


「ったく、あんたはなんでそう消極的なの!!」


ゆ…ユカ!?


お顔がすんごいゆがんでらっしゃる…。


こ、コワイ!!



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