藤井先輩と私。
「そう」
意外とあっさりした返事に、「そ、それだけ?」と思わず私は声をもらした。
「あのねぇ、私はあんたが気づく前から知ってたの。そんな今さら驚くことでもないでしょ」
そりゃ、そうだ。
ヒントをくれたのもユカだし、梶瀬君のこともユカだったし。
「ユカっていつから私が先輩のこと好きなんだって知ってたの?」
「いつからかしら…藤井に会った瞬間かしらね」
「私と先輩が出会った瞬間ってこと?」
「まぁそうね」
ユカはたまごやきを口に入れてもぐもぐしたのち、
「私は二人が初めて話したあの時に、一緒にいなかったけどさ。なんか、分かっちゃったのよ。陽依この男の子と好きになるのかもって」
私でも知らなかった気持ちを、こんなに早くから気付いていたなんて。
やっぱりユカ様すごいっす!!
「うーん。でもどっちかって言うと…“好きになってほしい”ってのが正解かも」
ん?どういうこと?