藤井先輩と私。
キーンコーンカーンコーン………














ついに…放課後のチャイムが鳴ってしまった。


チャイムと同時に、ほとんどの生徒が教室を出て行って、今教室にいるのは、私、ユカ、ジュディ、委員長の4人だけ。



「陽依、どうしたの?行かないの?」



私はというと、自分の席から微動だにせず、ずっと黒板をみていた。



「行きたいんだけど…体が動かなくて…腰抜かしちゃったみたい…」


立とうとするんだけど、うまく体に力が入らなくて動かない。



「ジュディ、手伝って!」


ユカとジュディは私の両側に立つと、両腕を掴んで立たせようとふんばる。



「せーのっ!」



二人がかりでやっと、私は立ちあがることはできたけれど、足は重いまま。





「怖くて…やっぱり…無理」


足や手が小刻みに震えて、心の中が不安いっぱいになる。



「今さら何言ってるのよ!ここまで来て…」



「でも…怖いの!先輩に気持ち伝えてそれで…何かが変わっちゃうのが…」



「ヒヨリ…」
「橋宮さん…」




私だって、今さらこんなに怖くなるんだろうって思ってる。

ちゃんと昨日決意はかたまったはずなのにって。


でも、言葉に言い表せない不安が心のなかに渦巻いて…足がすくんでしまう。






「陽依」



「なに?」












パシーン!!






















「…え?」



一瞬なにが起こったかわからなかった。


頬が熱い…。



「陽依、いきなり殴ってごめんね?でもこうでもしないと陽依の目が覚めないと思って」


< 340 / 361 >

この作品をシェア

pagetop