藤井先輩と私。
「私は陽依に後悔してほしくないのよ。今行かなきゃ、今言わなきゃ絶対後悔するよ」



ユカは真剣な顔つきで、私を見つめた。






「陽依、私たちがついてる…だから行っておいで」





そうだ。


ユカの言う通り。



私には強い味方がついてる。


何も怖がる必要なんてなかった。


もしかしてダメだったとしても、ちゃんと泣く場所がある。




「ユカ…ありがとう。目覚めた。行ってくる!」




みんなもありがとう。



私はカバンを持って教室を勢いよく飛び出した。


早く行かなきゃ。






「陽依!あわてるとコケるわよ!」



夢の中のユカと同じセリフに驚いて振り返ると、教室からユカが顔をだして笑ってた。


もう!ユカ!


…でも、あわてたらホントにコケるかも。



それから先の廊下は慎重に走った。




ペンキ塗りたての壁やバナナの皮も廊下には落ちていなくて、やっぱりあれは夢だったんだなって思う。





はやる気持ちを抑えて校舎裏手前でいったん止まり、深呼吸。




空を見上げると、雲ひとつない空に夕焼けが綺麗に映えていて、空でさえも私のことを応援してくれてるような気持ちになった。




うん。




がんばるよ!私!


  




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