藤井先輩と私。
「陽依…どうしよ、俺心臓がヤバい」


先輩は、胸に手をあてる。


どうしよ!
病気?
発作?



「せ、先輩!?保健室に!!」



救急車を呼ぼうとカバンに手を伸ばした。




「俺ドキドキしすぎて…死んでしまう」




ハッとなって、私はカバンに伸ばす手を止め、先輩の顔を見る。




「先輩…」


「陽依、俺ほんとに今死んでもええ。幸せすぎてヤバい」




先輩の顔は、夕焼けの光のせいか、妙に赤く見えた。




なんだか、先輩と初めて会ったときを思い出す。


そうだ。


先輩あのとき変なこと言ってた。






「先輩、初めて会ったとき覚えてますか?」


  

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