藤井先輩と私。
陽依は振り向き、梶瀬に駆け寄る。
2人が何を話してたか聞き取れなかったけど、だいたいはこんな感じ。
「今日放課後、話しがあるんだけど…教室で残っててくれないかな?」
「いいよ。ユカも一緒でいい?」
「だっダメ!!」
「なんで?」
「2人きりで話したいんだ!」
こんなセリフを吐かれたら、陽依以外の女子であれば、腰砕けものよ。
でも、相手は超鈍感の陽依。
告白まがいの言葉が通じるわけもなく。
「分かった。ユカ!放課後梶瀬くんとお話するから廊下で待っててね」
陽依は満面の笑みをこちらに向ける。
その後ろで、梶瀬はウインク私にしていた。
まぁ、察しろってことだろう。
放課後、私は廊下にいた。
梶瀬のことあんまり好きじゃないからね。
言うことなんか聞いてやんない。