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「あぁ。」


耳元で囁く晃平の声にドキッとした。



でも、晃平に包まれた私は幸せだった。




「何この茶番劇。」


「ほんとほんと。」


「見てらんねぇわ。」



みんなはクスクス笑って歩き出す。



晃平はそっと離れ、私を立たせてくれた。



「帰るか。」


「うん!」



私たちはみんなで歩き出す。



「晃平のせいで授業サボっちゃったじゃない!」


「知るかよ。」


「つめた―!!」


私はみんなを見てフッと笑った。



「お兄さんいたなんて初耳なんだけど?」


紗代が晃平を覗き込む。


「お兄さん、かっこいいんだろなぁ‥。」



和華が呟くように言った。



「「「「…。」」」」


和華…サクヤ先輩とはどうなったのさ…。



「K大行ってる。兄貴もモテる。でも遊ばないから、兄貴。」


晃平が呟く。
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