CL




起きるのが遅いからとか言って目覚まし時計くれたり、このアーティスト好きだったよねとCDをくれたり、いろいろ。

でも今年は、会った直後に袋を差し出してはこないので、何も用意していないんだろうと思われる。

寂しくないと言ったら、嘘になる、かな。


「…ふあ~…疲れたー!」


ツキコは綺麗になった絨毯の上に座り込み、テーブルに突っ伏して大きなため息を吐いた。

そんなツキコを見下ろして、スーツを着替えようかどうしようかちょっと迷ったけれど、まあいいかと上着だけ脱いでソファに放り、ネクタイを緩めてから俺も座った。

ツキコの正面に落ち着いてふと顔を上げると、ツキコがにんまりしながらこちらを見ていた。


「……なにか」

「いいえー?ただ、ネクタイ緩める姿がサマになっちょんなあっち思っただけー」

「まあ社会人になって3年目だしそろそろサマになってないと困る」

「あーあ~…。こないだ(この間)までキイチくん学ラン着よったんにな~」

「いつの話だ、いつの」

「喋り方も標準語やし、なんか気持ち悪い!方言忘れたん?」

「いや、忘れちょらん。っちゅーかお前と喋りよったら方言に戻る」

「あ、方言やー!やっぱそっちの方がキイチくんっぽいけん安心する~」

「そうですか」

「うん!ねえねえそれよりも久しぶりに会ったあたしにお茶とか出してくれんの?あと食べんのならチョコあたしが食べるけんちょうだい」

「素晴らしいくらいに図々しいなお前は…」





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