CL




と、言いつつも立ち上がる俺はツキコの言うとおり、お人好しなのかもしれない。

「コーヒーでいいやろ?」と聞くと、「あたしブラック飲めるようになったんよ!」と聞いても居ない情報をくれた。

豆から作るという洒落たことなどしないので、インスタントコーヒーを適当に淹れる。

カップを手にリビングへ戻ると、図々しい事の代表ツキコは、チョコの入った袋を俺に一言声をかけるなどなしに漁っていた。


「……勝手に漁るなよ…」

「なんか高そうなチョコないかなーって思って!あったらそれ絶対本命やし、それならあたしが食す」

「いや、ないやろ」

「あるっちゃ、見よってん。えーっと……うっわこれゴディバやん!絶対高いやろこれ!これあたしが食べるけんキイチくん他の食べてね!どうせ食べれんやろうけど!」


ゴディバとかなにそれ俺も食べたい。

とか言っても絶対ツキコはくれないだろう。俺がもらってきたというのに。

まあ食べれたとしても一粒が限界だろうけど。


「…はい、コーヒー」

「あ、せんきゅー!わー、ゴディバのチョコ食べたかったんよねー!いただきまーす!」


再びツキコの向かい側に腰を下ろした俺は、楽しそうにチョコの箱を開けるツキコを見やる。

一体いつまでここに居座る気なんだろうかと。

そしてツキコはゴディバのチョコを食べながら、また袋を漁り始める。





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