【番外編】夜色オオカミ~愛しき君へ~




きょろりと辺りを見回し、塀に設置された監視カメラを探す。



門の両側に一つずつ。



大きな家の割には警備は手薄で、設置された物も古く…僕が見るかぎり高機能な機械とは言い難い。



こんな屋敷ならば、ちょっと探せば自分が入り込む穴くらいあるんじゃないか?



ぐるぐると警戒は解かずに歩き回った。



『…!』



調度、屋敷の裏手にあたる場所に裏口と思われる小さなドア…



運のいいことに丈夫そうな大きな南京錠が…外れていた。



即座に監視カメラが無いことを確認して、そこから中へと入ることに成功した。







だが、直後――



『…!!』



――――ギィー…ガチャ………――――サク…サク…サク…



古い金具の軋む音…そしてその直後、芝を踏みしめているような音に瞬時に茂みの中に身を潜めた。









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