【番外編】夜色オオカミ~愛しき君へ~
一歩足を踏み出すとピシャ…と濡れた足が音を出す。
狭い小屋で彼女の傍にたどり着くのは一瞬だった。
ピクリとも動かない彼女の顔に鼻先を近づける。
微かな息を確かめて、……命があることに…
――――パタ…
『……っ』
…また、涙が落ちた。
涙が落ちた先は、彼女の血に濡れた頬の上…
スゥ…と、頬を伝い…赤に滲んだ白い線を描いた。
君は…肌が、雪のように白いんだな……。