365日+1日、飾らない言葉をさがして。< 短編集 >
27、台風のあとって快晴だね。
「 ねぇ、男ってさぁ
彼女にしたとたんに
好きとか、
かわいいとか、
なんで言わなくなるなんておかしくない? 」


私の部屋に突然押し掛けてきて泊まるとか勝手に決めている。
親友なのかな?
杏鈴( あんず )がかなりのご立腹です。


聖( ひじり )くんが、
最近自分のこと好きじゃない!とか

はぁ…
もうかれこれ三時間。

私も飽きてきたところに杏鈴の携帯が激しくブルブルしてる。


「 今から迎えにくるの? 」


「 本当に? 」


「 うん、わかった。
帰るよ。 」


杏鈴ちゃんは聖くんの電話で超ご機嫌。

なんだか台風のように去って行った。


なんだか散らかった部屋を見て疲れきってため息をついた。


ピンポーン。


杏鈴が帰った今、
Lサイズのピザ二枚。

届いたピザを見つめながら、
杏鈴もなんだかんだ言っても聖くんが大好きでさ、
なんだよ!
けっきょくノロケだったんじゃん!!


むなしい気持ちも込み上げた。


そうだ!
私は携帯でとなりの部屋の日野さんへ電話した。


ピンポーン。


三日前まで同じ会社なんて知らなかったけど、
偶然会社のエレベーターで一緒になった日には驚いた。


「 今帰ってきたばかりだから、
食べ物につられてノコノコ来てしまいました。 」


まるで子犬のようにコロコロ笑っている顔は、
失礼だけど三つも年上には思えなかった。
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