龍とわたしと裏庭で②【夏休み編】

圭吾さんはわたしを独り占めできるけど

わたしが圭吾さんを独り占めするのは難しい。


普段のお仕事はわたしの休みに合わせて大幅に調整したらしいけど、容子オバサンはそうはいかない。

『資産の運用で相談があります』って圭吾さんを引っ張って行ってしまった。


「父の遺産がかなりあるの」

梓さんがわたしに耳打ちする。

「財産分与で父が相続したものだから元々は羽竜本家のものよ」


それがわたしに何の関係があるの?


「わたしがこの家に嫁入りすれば、また羽竜本家のものになる」


そう、それはステキね


何の反応も見せないわたしに梓さんは苛立った。


「あなたに何があるって言うの?」

「何も」

そう、この心以外は


「圭吾さんには別に好きな人がいるのよ」

「知ってるわ」


本当は優月さんが好きだって

でも手に入らないから

だから わたしと生きていくと決めたって

そんな事くらい知ってる


梓さんはちょっと驚いたようだった。


「あなた、それでいいの?」

「いいの。わたしは圭吾さんを誰よりも好きだから」


でも、改めて人から指摘されると心が痛む。

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