龍とわたしと裏庭で②【夏休み編】
行クガイイ


「もう少しいる」


モウ十分ダ

早ク答エテヤレ

アノ男ハ、気ガ狂ウ寸前ダゾ


本当?


わたしは立ち上がった。


モウ寂シクハナイ

俺ハ 初音ノ名ヲ抱イテ消エヨウ


狐の目が闇に飲み込まれていく。


俺ガ消エタラ初音ハ泣クダロウカ?


「ええ、きっと」


泣クナト伝エテクレ

アレノ笑顔ガ見タイ


最後まで残った口が『初音』とつぶやく。

慈しむように暖かく

全てが飲み込まれるその瞬間まで

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