龍とわたしと裏庭で②【夏休み編】
薄闇の中、わたしは本当に一人っきりになった。

でも不思議と怖くはなかった。

圭吾さんは必ず迎えに来てくれるもの


「圭吾さん」


わたしも愛しい人の名を呼んだ。


「圭吾さん」



――志鶴?


圭吾さんの声が聞こえた。


――ああ、やっと見つけた!


「圭吾さん、どこ?」


――おいで、志鶴


薄闇の中に光が射した。


手が 腕が 見える


駆け寄って飛び込んだ

大好きな人の腕の中に


「圭吾さん、大好き」





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