霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
ガリガリガリ。
眠り猫は、家を支えている柱で爪を研ぎ始めた。
「そんで、その歌の解読と盗まれた家康様の魂で、財宝のありかが分かったと?」
「そう! 眠り猫君その通り! それがここ、古峰ヶ原高原だよ! あと人ん家で研ぐのは止めろ」
ここで、その先程の赤丸で記された地図を取り出した。
徳川埋蔵金は日光東照宮内部か、その近くに存在する古峰ヶ原高原に隠されてるとの有力説がある。
眠り猫が埋蔵金の事を知らないように、多分日光東照宮には存在しないであろう。
あるなら古峰ヶ原高原。
その細かいポイントを抑えたヤツらは、そこに向かったのだ。
そこに黒ガラスも居る可能性も高い。
財宝は発見されようがどうでもいいが、ヤツの悪巧みだけは潰さねばならない。
「そう言う事だ! 行くぞ君達!」
オッサンは勢い良く立ち上がるが、他の物は対照的にダラケる。
「ニャ~あと五分~~」
「あ゛~~ダル。ピザーラにも電話しちゃったから。のんびり待とうよ」
コ、コイツ等……
たるみ過ぎだろ