イジワルセンセイとハチミツな恋~どきどき・胸キュンホームルーム~
そして彼女の息遣いが頬にあたってミントの香りがほんのりとする。


『ぐ……ぐおっ』


乃理道から見ると顔面にパンチの連打を浴びた様な衝撃で、立ち上がる事が出来ない位のダメージを食らった格好になった。


「う~んと、あのねぇ……」


まり子は教科書を持って、おもむろに立ち上がると乃理道の隣に、ぺたんと座り込んで、教科書を差し出すと、自分が分らない部分を指差して見せた。そんな事をすれば、当然まり子の胸が肩に触れる訳なのだ。


その軟かな感触を感じた瞬間、乃理道の血圧は計測不能の状態まで跳ね上がる。


そして、思春期の女子特有の甘酸っぱい体臭が乃理道鼻をくすぐって視界がぼやける程の興奮に襲われた。


「……くん…乃理道くんてば」


 何度か名前を呼ばれて乃理道ははっと我に返った。
< 205 / 213 >

この作品をシェア

pagetop