NAIL
三日ほど前、美知子は森山を呼び出した。しおらしい態度で、か弱そうな女性を演じながら。森山は美知子のそんな態度に安心したのか、何の疑いも無くその誘いに応じた。または、この間の続きが出来るのではと考えたのかも知れない。
だが、その思惑は外れ、美知子の口から思いもよらない事を告げられたのである。
「被害届……?」
「……はい。この間のこと、私はとても傷付きました。……あんなことされて……」
美知子は両手で顔を覆い、さめざめと泣いて見せた。勿論それは演技であったが、森山にそれが見破れるはずもなく。
「ちょ、ちょっと待ってくれ! 私は何もしていないじゃないか!」
「無理やりお酒を飲ませてホテルへ連れて行ったじゃないですか!」
涙で滲んだ瞳で、美知子は森山を睨み付けた。森山は一瞬怯んだが、すぐに踏ん反り返って腕組みをし、いやらしい笑みを浮かべた。
だが、その思惑は外れ、美知子の口から思いもよらない事を告げられたのである。
「被害届……?」
「……はい。この間のこと、私はとても傷付きました。……あんなことされて……」
美知子は両手で顔を覆い、さめざめと泣いて見せた。勿論それは演技であったが、森山にそれが見破れるはずもなく。
「ちょ、ちょっと待ってくれ! 私は何もしていないじゃないか!」
「無理やりお酒を飲ませてホテルへ連れて行ったじゃないですか!」
涙で滲んだ瞳で、美知子は森山を睨み付けた。森山は一瞬怯んだが、すぐに踏ん反り返って腕組みをし、いやらしい笑みを浮かべた。