君だけの王子様
第4話:まさかまさかの…
「なんですか…?」
彼女は抑揚のない声で言う
「あ……っと…」
俺は聞かれて戸惑った
どういえばいい…?
こんなの無意識でやったんだし……
「…どうせあなたも私の顔が目的なんでしょう?」
ポツリと彼女が言った
…え?
俺は思わずつかんでいた腕を離す
「やっぱり否定しない…。私、顔で判断する人嫌いなんで。」
彼女はそうゆうと今度こそ人混みの中に紛れ込んでいった
……っ
俺は何をしてるんだよ……っ
俺はあの子の気持ちが分かる
俺もそうだったから
今までの女は決まって俺の顔が好きで告白してくる
どんな言い訳しようが分かってしまうんだ
なのに…
俺が今したのはまさにこれだった
あーゆー顔に生まれて1番嫌なのは『容姿で判断すること』
みんな俺の中身を見ようともしない
俺の中身を知るとみんな『外見と違う』って言って離れていく
だから俺は高校からみんなの望む王子様を演じた
そのほうがいいだろ?
みんなが望むんだから…