君だけの王子様

第4話:まさかまさかの…




「なんですか…?」




彼女は抑揚のない声で言う





「あ……っと…」





俺は聞かれて戸惑った





どういえばいい…?





こんなの無意識でやったんだし……





「…どうせあなたも私の顔が目的なんでしょう?」




ポツリと彼女が言った




…え?




俺は思わずつかんでいた腕を離す




「やっぱり否定しない…。私、顔で判断する人嫌いなんで。」




彼女はそうゆうと今度こそ人混みの中に紛れ込んでいった




……っ




俺は何をしてるんだよ……っ




俺はあの子の気持ちが分かる




俺もそうだったから



今までの女は決まって俺の顔が好きで告白してくる




どんな言い訳しようが分かってしまうんだ




なのに…




俺が今したのはまさにこれだった




あーゆー顔に生まれて1番嫌なのは『容姿で判断すること』




みんな俺の中身を見ようともしない




俺の中身を知るとみんな『外見と違う』って言って離れていく




だから俺は高校からみんなの望む王子様を演じた




そのほうがいいだろ?




みんなが望むんだから…
< 4 / 7 >

この作品をシェア

pagetop