それでも君が。
「てめぇな。姫どころか戦車クラスじゃねぇかよ」
「うるさいな! あんたが失礼なこと言うからでしょ!」
「失礼なことぉ?」
「……別れたらいいとか、そんなこと言わないでよっ! バカ!」
蒼君がいる教室の入り口だったから、なるべく声は抑えたつもりだったけど。
蒼君に聞こえてませんように、と願いながら、私はそのまま廊下を走った。
──なんて人なの!
信じられない!
蒼君みたいに優しい人だっているのに、……あんな、
人の気持ちを欠片程も分かろうとしない人もいるだなんて……。
エロ魔神だなんて言いながらも、そんなに悪い人じゃないって思いたかったのに。
最悪だよ。
大嫌い
大嫌いだ……!!
階段を下りきった所で、ふと足を止めた。
──でも。
私達は、一生一緒だもんって。
一生別れないもんって。
そう言えなかった自分が、一番嫌いだ……。