それでも君が。




「てめぇな。姫どころか戦車クラスじゃねぇかよ」


「うるさいな! あんたが失礼なこと言うからでしょ!」


「失礼なことぉ?」


「……別れたらいいとか、そんなこと言わないでよっ! バカ!」





蒼君がいる教室の入り口だったから、なるべく声は抑えたつもりだったけど。



蒼君に聞こえてませんように、と願いながら、私はそのまま廊下を走った。







──なんて人なの!



信じられない!



蒼君みたいに優しい人だっているのに、……あんな、



人の気持ちを欠片程も分かろうとしない人もいるだなんて……。



エロ魔神だなんて言いながらも、そんなに悪い人じゃないって思いたかったのに。



最悪だよ。



大嫌い



大嫌いだ……!!











階段を下りきった所で、ふと足を止めた。



──でも。



私達は、一生一緒だもんって。



一生別れないもんって。



そう言えなかった自分が、一番嫌いだ……。




< 113 / 292 >

この作品をシェア

pagetop