それでも君が。




ギッと睨んでやると、彼はまた肩をすくめ、言った。





「ヤツ当たんなよな。結局自分らの問題だろ。まぁ俺は、始めからあの爽やかヤローは気に入らなかったし。別れたらいいのにってぐらいだけどな」





──……





「大体、今いくら好きだなんて言ってたってなぁ。将来ずっと一緒にいられるかも分かんねぇし」





──……





「一秒先のことだって分かんねんだぞ。それなら色んな奴と遊んだ方が得だって」





──……





「あ! てめぇ、何すんだよ!」





珍しくペラペラと喋っていた彼は、私の攻撃により、それを止めた。



私が、自分が持っていたお弁当箱を彼に投げたのだ。



お弁当箱は巾着に入っているから、中身が散らばることはない。



でも、中身がギッシリ詰まったお弁当箱を腹に投げられては、結構痛いだろう。



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