それでも君が。
「ここじゃダメなんですか」
そう聞くと、さっきから喋っていた先輩が、ピクリと眉を動かした。
「別にここでもいいけどぉ。邪魔入ったら嫌なのよね」
「じゃ、邪魔が入ったら嫌なことって、……あまり良くないことですよね」
「……まじ生意気」
チッと舌打ちをした先輩は、私の腕をガシッと強く掴み、昇降口の方へ引きずった。
そして、靴箱に向かって勢いよく突き飛ばされる。
バンッという音が、我ながら痛々しい。
「あんたさ。何考えてんの?」
先輩は少しだけ声を潜め、そう言う。
──私の方が聞きたい。
あなた達は何を考えて、こんなことをするのか、と。
黙って俯く私を見て、苛立ちを募らせたのだろう。