それでも君が。
今まで、そんな風に守られてきたことにも気付かず、やっぱり私はのうのうとしていた。
蒼君、ごめんね。
「ちょっと、聞いてんの!?」
「え! あ……は、はい」
「……バカにしてんの?」
……聞いてると言ったのに、何故怒るんだろう。
また足元に目を落とすと、それを許さないと言わんばかりに、顎を持たれた。
今まで何も言わずにジッと見ていた先輩だ。
顎を持たれたまま、グッと顔を近付けてくる。
キツい香水の匂いが鼻についた。
「でもさ、あんた達最近ヤバいでしょ」
「……え?」
「夏休みも会ってなかったんでしょ? 蒼汰君があんたに飽きたんじゃないのかって、もっぱらの噂だよ」
「………」
「大体、身体にも触らせてもらえない彼女とか、意味あんの?」
ずきん、と。
心臓に釘が刺さったみたいになった。
反論出来ないことばかりだと思った。
夏休み会えなかったことも。
身体に触らせてもらえないことも……。
でも、飽きただなんて、そんなことは、蒼君に対する侮辱だ。
もし蒼君が私に飽きたのだとしたら、彼は私にちゃんとそう言うはず。
あんな態度は取らないはず。