それでも君が。
「王子様の登場か」
藤堂君の声が響くと、次に響いたのは先輩達のものだった。
「そ、蒼汰君……」
その声は少し震えていて、明らかに“マズい所を見られた”……という感じのものだった。
私は、支えてくれていた藤堂君の腕から逃げるように身体をずらし、彼にお礼を言った。
「……ありがとう、藤堂君」
「大丈夫かよ。どこそこいてぇんだろ」
「大丈夫だか──」
「遠慮すんな」
大丈夫だから──と言おうとすると、藤堂君がそれを遮った。
更に、また私の腕を持ち、身体を引き寄せる。
足に力を入れられず、つい藤堂君に寄りかかるような形になった。