それでも君が。
傘立てにしがみついて座る姿は確かにみじめかもしれないけど!
どうやら足を軽くくじいたらしい。
でも歩けない程じゃない。
傘立てに重心をかけ、思い切って立とうとすると、足首にズクンッと痛みが走った。
すると、藤堂君はそんな私の思いを汲み取ったのか、いきなり私の腕をグッと掴んできた。
あ、と思った時にはもう、強引に立ち上がらせられていた。
一気に足やら腕やら痛くなったけれど、衝撃が強すぎて、逆に声が出ない。
「大丈夫?」
そう聞いてくる彼に、悪気はないんだよなぁ、と思う。
私は小さく頷き、スカートについた汚れを払った。
「何してんの?」
昇降口に響いた、またもや異色の声。
それが蒼君のものだと気付いたのは、きっと私が最初。
スカートから、その彼に目を移す。
渡り廊下と昇降口の境目に、蒼君は立っていた。
私がさっき、蒼君の教室を見上げた場所。