それでも君が。




傘立てにしがみついて座る姿は確かにみじめかもしれないけど!



どうやら足を軽くくじいたらしい。



でも歩けない程じゃない。



傘立てに重心をかけ、思い切って立とうとすると、足首にズクンッと痛みが走った。






すると、藤堂君はそんな私の思いを汲み取ったのか、いきなり私の腕をグッと掴んできた。



あ、と思った時にはもう、強引に立ち上がらせられていた。



一気に足やら腕やら痛くなったけれど、衝撃が強すぎて、逆に声が出ない。








「大丈夫?」





そう聞いてくる彼に、悪気はないんだよなぁ、と思う。



私は小さく頷き、スカートについた汚れを払った。





「何してんの?」





昇降口に響いた、またもや異色の声。



それが蒼君のものだと気付いたのは、きっと私が最初。



スカートから、その彼に目を移す。



渡り廊下と昇降口の境目に、蒼君は立っていた。



私がさっき、蒼君の教室を見上げた場所。




< 131 / 292 >

この作品をシェア

pagetop