それでも君が。




澪ちゃんが私を抱き締めるようにして、背中をトントンと叩く。





「ごめんね、泣かせて」





そして、そう言った。



それに思わずクスッと笑い、首を横に振った。



澪ちゃんは私の顔を覗き込むようにしながら、眉を下げた。





「何かあった?」


「……澪、ちゃん」


「うん」


「私、もう、……ダメかもぉ……」


「……何がダメなの?」


「……っ」


「蒼先輩なら、しばらくは帰ってこないから。大丈夫だよ。言って」





ドアに一瞬だけ視線をやった私を見て気遣ってか、澪ちゃんはそう言って私の肩に手を置いた。



ハッと息を吐く。





「……蒼君は……もしかしたら、秋山先輩に惹かれてるのかもしれない……」


「……は?」


「……夏休みね、私とは一度も会ってくれなかったのに……秋山先輩とは……何度も会っ、てたって……」


「誰が言ったの?」


「……女の先輩と……蒼君の口からも確認した」


「……蒼先輩が……?」


「ひっ……澪ちゃん……澪ちゃんどうしようっ……やだよぉ……」


「羽月…」




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